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ビリオネアロー のコンドはなぜ世界一高いのか?
ニューヨークの57丁目はビリオネアローと呼ばれます。 英語でビリオネアとは、純資産額が10億ドルを超える人たちのことを指し、このようなウルトラリッチが住む通りという事でこの名前がついています。 この通りの地上300メートルを超えるレジデンスビルがこのビリオネアローのビルに該当し、現在の所、7-8つのレジデンスビルがこれに当てはまります。 これらのコンドミニアムの平均価格は980万ドルです。 そしてこのビリオネアローコンドの床あたりの坪単価は他のマンハッタンの超高級ビルの床坪単価の更に 2-3倍高い価格設定となります。 正にニューヨーク、そして世界で最も高級なビルという事になります。 これらのビルの坪単価は2500万円($1 = 140円)からで、ペントハウスクラスになると坪7000万円まで値段が上がります。 なぜこれまで高い値段設定になりそこまで高い価値があるのか? 以下に説明していきたいと思います。
1、セントラルパークビュー
まずはこれらの高層ビルから眺められるセントラルパークがニューヨーカー、そして世界の富豪たちのステータスシンボルとなっている事が挙げられます。 セントラルパークは世界で唯一の高層ビルに囲まれた大規模の公園でニューヨークのアイコンです。 一番高いビルだと地上約500メートル近い空中からセントラルパークビューが眺められ、そしてこのセントラルパークの景色は季節によって変わり、まるで上空から遠くまで広がるアートを見ているようです。 世界一の富豪達がこのビューを手に入れると言うステータスを買う為に大金を支払います。
2、空中権
デベロッパーはこの上空からのセントラルパークビューを実現する為に周りの土地から空中権を買い取ります。この空中権の取引は坪当たり 1万2千ドルから2万ドルぐらいです。 この空中権を買い取る事で高くビルを建設する事ができます。 周りのそれぞれの土地から空中権を買い集めるのは簡単なビジネスでは有りません。 更に、空中権を買い集めた後も、ロビーストを雇っての行政との交渉&調整、ビルの建て壊しの為の周りとの調整など、途方もない年月がかかります。
3、超高層ビルのエンジニアリング費用
これらのビリオネアローレジデンスは地上300メートル以上の所にあるため、それを支える為の強いエンジニアリングが必要です。 従来の高層ビルはこれらの費用を賄う為に、たくさんのユニットを建築しました。 しかし、ビリオネアローレジデンスは違います。 例えば80年代に建設された5番街のトランプビルは地上約60階建てで230世帯を建築しました。 それに比べてビリオネアローの中でも世界で一番細い110 East 57 st は、90階建てで69ユニットしかありません。 これはビリオネアローに大きなビルを建てるための土地がもう無いので、細く高く建てるしか無いのです。 このようにビリオネアローは少ない世帯数でビルのエンジニアリング費用をカバーしなければいけません。
さらに、ニューヨーク市のゾーニング法により、このビルを支える機械室などは建築可能床面積に含めなくて良いので、デベロッパーはなるべく高く建てる為にビルのエンジニアリングを支える機械室用に10〜20階層分を分配します。 これらのエクストラの床とエンジニアリングを少ない世帯数で支えるので、プレミアムがつくのです。
ではこれらの超高級コンドは誰が購入するのでしょうか?
これらのコンドは大抵、超富裕層によって、Pied-à-terre (ピアデテア)というセカンドホームの目的や分散投資として資産配分の一部として購入されます。 ニューヨークの不動産マーケットは非常に安定していると世界的に評価されており、資産の配分目的プラス自分や家族も使えると言うメリットが有ります。
今月、このビリオネアローの中でも一番の高層階を誇るセントラルパークタワーのペントハウスが2億5千万ドル(約350億円)でリストされ、全米で一番高いリストとして注目を集めました。 このビルのデベロッパーは、”今は絵画が数百億円で売れる時代、ニューヨークのはるか空中に存在する、ガラスと鉄で構成されたアートが350億円で購入できるのだから、決して高くはない” とコメントしています。
世界一の街というブランド力、そして上空からのセントラルパークビュー、
これがビリオネアローのコンドミニアムを最高級の価格に押し上げている要因です。
セントラルパークタワーのペントハウスに関するビデオは以下のリンクから。
https://www.youtube.com/shorts/En3knwb0GAc