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ニューヨーク不動産仲介のトップチーム
現在のデブラジオ市長の任期が今年末までと言う事で、市長選挙の予備選が行われています。 民主党の候補者達が、現在ニューヨークが抱える一つの大きな問題である、安価な住まいが大きく不足している問題をどのように解決させるか? を提案しています。 それぞれの候補がどのような案を提案しているか、見ていきましょう。
現在市長選のフロントランナー(一番候補)である、エリック・アダムス氏は富裕層が多いエリアにリーズナブルユニットを増やす事、ストリジャー氏はデベロッパーが新しいレジデンシャルビルを建設する際のリーズナブルユニットの割合を増加させる条例を入れる事、ヤング氏はコロナで空いたホテルやオフィスを住まいにコンバージョンする事を提案しています。
それぞれのプランには政治的、経済的なハードルが有ります。 しかし、専門家によると、この問題を解決できなければ、特に給料の低いマイノリティー層にとって、さらに住みにくい街になり、経済回復にさらなる時間を要する事、NY のカルチャーの喪失などに繋がる結果となると指摘している。
アフォーダブルハウジングの非営利団体の” Chhaya Community Development Corporation”によると、コロナ以前から、半分以上の世帯が家賃に世帯収入の30%以上を費やす結果となっていると指摘しています。
現在は行政によって、家賃未払いによる追い出し禁止条例があるため、家賃滞納者は守られていますが、この条例が失効した際には多くの住人がホームレス状態となります。
現在の市長である、デブラジオ氏は自らを貧困層の味方と強くアピールしてきましたが、その現市長ですら、貧困層へのファイナンシャルサポートは十分ではなかったと非難されています。
マックギネス氏はここから8年間に渡って毎年 2.5ビリオンドルを借りてそれをファイナンスに当てて3万5千世帯を建設すると提案。ヤング氏は数ビリオンドルを使い、3万世帯建設し、をそれぞれのインカムレベルの層に向けて住宅を提供すると発表しています。
ワイリー氏は1.5ビリオンドルの補助金をエリアの平均収入の半分以下の収入の世帯に対して提供し、家賃の支払いが30%を上回らないようにすると提案。 この補助金はホームレスの数を低減させる事に繋がると発言しています。ホームレスが増えると保護施設が必要で、この補助金はこの保護施設への投資の代わりとなるしています。 アダム氏は市が所有する空中権をプライベートデベロッパーへ売却し、レジデンスの建設を促すと提案している。
数名の候補者は現在ニューヨーク市のエージェンシーであるNYハウジングオーソリティーをプライベート化する案を提案しています。 このエージェンシーは現在パブリックハウジングの建設、管理をしています。 パブリックハウジングの住人は、このエージェンシーがプライベート化すれば、プライベートインベスターの意向が入り、住人にとって悪影響となるとして反対しています。
また、現在10世帯以上のレジデンスビルの建設には25%のリーズナブルユニットの導入が義務付けられていますが、この数字を大きくする事を提案している候補者もいます。 これは不動産デベロッパーのロビー団体が大きく反対するでしょう。
アダム氏はさらに、マンハッタンのミッドタウン(42丁目から14丁目、パークアベニューから9番街まで)のゾーニングを変更し、さらなるリーズナブルユニットの建設が進むようにすると提言しています。(容積、使用用途などの緩和など)
各候補者によってアプローチは少しづつ違いますが、商業不動産を居住用不動産コンバージョンする方法、プライベートデベロッパーを通じてリーズナブルユニットを増やす方法、補助金として直接補助金を配る方法、空中権の売却利益を使ってパブリックハウジングを増やす方法などが候補として上がっています。
参考: NY Times https://www.nytimes.com/2021/06/13/nyregion/affordable-housing-nyc-mayor.html