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アメリカの自然災害リスクと不動産市場

By
Blue Pacific Realty
更新日: 
作成日: 
2025-02-07
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自然災害リスクと不動産市場:「災害割引」は新たなトレンドとなるか?

近年、異常気象や自然災害の影響が拡大し、不動産市場にも大きな影響を与えています。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事によると、洪水、山火事、極端な高温などのリスクが高い地域では、住宅価格の上昇が鈍化し、場合によっては下落するケースも増えています。こうした地域では、住宅所有の実際のコストが上昇しており、購入者が「災害割引(Disaster Discount)」を求める動きが出てきています。

災害リスクの影響

災害リスクが高い地域では、以下の要因が住宅価格に影響を与えています。

  1. 保険料の高騰:自然災害の発生頻度が増えるにつれ、住宅保険のコストも上昇しています。特に沿岸部の洪水リスクが高いエリアでは、保険料の上昇が顕著です。
  2. 修繕費用の増加:災害による損害が増加しており、修繕費用の見積もりも高額になる傾向があります。
  3. 不動産価格の調整:過去には災害リスクがあるにもかかわらず不動産価格が上昇し続けていましたが、近年は買い手側の意識が変化し、価格交渉の際に「災害割引」が考慮されるケースが増えています。

2024年の世界的な自然災害による影響

2024年には、自然災害や厳しい気象条件による経済損失が4,170億ドルに達しました。このうち1,540億ドルは保険会社が負担しており、保険業界にも大きな影響を与えています。結果として、災害リスクの高い地域では保険料の大幅な引き上げや、新規契約の制限が行われる可能性が高まっています。


不動産市場の今後の展望

今後、不動産市場では以下のような変化が予想されます。

  • 価格の二極化:リスクの低い地域の不動産価値は上昇を続ける一方で、高リスク地域の価格は抑制される可能性が高い。
  • 「災害割引」の普及:買い手がリスクを意識し、交渉時に価格の引き下げを要求する傾向が強まる。
  • 新たな保険商品や政策の導入:政府や保険会社が、災害リスクを考慮した新しい住宅保険制度を導入する可能性がある。

気候変動と自然災害の影響は、不動産市場にも確実に影響を及ぼしています。特にリスクの高い地域では、住宅価格の伸び悩みや「災害割引」の要求が今後ますます増えていくことが予想されます。購入を検討する際には、単なる価格だけでなく、将来的な保険料や修繕費用など、長期的な視点でのリスク評価が重要になるでしょう。



参考:
www.wsj.com/real-estate/what-will-it-take-for-home-buyers-to-start-asking-for-a-disaster-discount-c662cb96&ct=ga&cd=CAEYBioUMTMyMDkxOTk2MjgzMzMxNzQxOTMyGjcxZmQ2NzU5ZGQxMTU4YTI6Y29tOmVuOlVT&usg=AOvVaw0i584z7SQZ7fytwXK0f867

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ニューヨーク認定不動産ブローカー