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ニューヨーク不動産仲介のトップチーム
住宅マーケットの回復は、大きなディスカウントと共にやってきました。
今月に掲載されたニューヨークタイムズの記事は、
「ニューヨークの不動産がついに回復の兆しを見せています。そしてその兆しは大きなディスカウント共に到来しています」
との見出しで掲載されています。この記事の中では、マンハッタンのラグジュリーのコンドミニアムは場合によっては当初デベロッパーが考えていた価格の半額で取引されている例などが取り上げられています。
3月のマンハッタンの不動産契約件数は1500件にのぼり、過去14年間で最多の契約件数となりなりました。 バイヤーは新築を含むコンドミニアムを大きなディスカウントプライスで取得しています。
ある新築コンドのデベロッパーはプライスを半額まで下げて売りに出しています。 それに加え、共益費の無料期間、パーキングスペースの無料提供、インテリアデザインのクレジットを提供するなどのボーナスも付与しています。 マンハッタン区はクイーンズ区、ブルックリン区に比べ、マーケットが弱いので、より大きなインセンティブが付きます。 この状況は人気が高まっているトライベッカや開発が進むイーストビレッジなど様々なエリアで起こっています。
コロナが始まる前の2019年には既にコンドミニアムの売れ行きは落ちてきていました。 それに加えてこのコロナがヒットした事で、ファイナンスのプレッシャーがかかっているデベロッパー達は値段を下げても売り切ら無いといけない状況となっています。 それはプロジェクトの利益を出すどころか、損を出してでも売りきるという状況に置かれています。
近年のロックフェラーセンター以来の大型開発として注目された、ハドソンヤードプロジェクトは (15 Hudson Yards, 35 Hudson Yards) は大きなディスカウントプライスを提供しています。
35 Hudson Yards は23%のディスカウントレート、15 Hudson Yards は17%のディスカウントとなっています。
ニューヨークで最も大きなデベロッパーであるエクステル社のプロジェクトの6つのプロジェクトのうち3つは損失を出す予定であるようです。
デベロッパーのこのような不況時の対処方法は以前の不況の対処法と同じく、共益費の無料化、バルクセールで複数のユニットをディスカウント価格で一人の投資家へ売却する、もしくは分譲を諦めて、賃貸に回すなどが挙げられます。
また、今回は前回のマーケットクラッシュである2008年と違う側面も見られます。それは金融機関が建設中のビルの工事をシャットダウンする様子を見せていない事です。デベロッパーに猶予を与え、期間を伸ばしています。
111 Murray Street は完成後6年間バイヤーを引き込もうと努力していますが、始めの売り出し価格と現在の売却価格を比較すると38%のディスカウントとなっています。
37 East 12th Streetのペントハウスは2015年当初、$3300万ドルで売り出していたペントハウスを今年の3月にようやく1550万ドルで売却しました。
ファイナンスのプレッシャーのあるデベロッパーはローンの返済のために、損益覚悟のディスカウントレートでバルク売却しています。
この冬、El Ad GroupはCharlie West, 123ユニットのコンドミニアムのうち、70ユニットを-Tishman Realty に$8700万ドルで売却しました。 これは提示価格の40%オフの価格だったようです。そして、この70室が再販に出され、El Ad Group の他の在庫より低い値段でマーケティングを始めたので、El Ad Groupは自社のユニットも値段を下げざるを得ない状態に陥っています。
Charlie Westは 505 West 43rd Street に位置し、レールロードトラックの上に建設されているビルです。 1/4しか売却がす進んでいなかったEl Ad Groupは始めの方は1万ドルをバイヤーのアパートのデコレーション用にクレジットを付けるなど40%ディスカウントに比べると消極的なプロモーションを提供していました、それでは追いつかなかったようです。
Three Waterline Square ビルは元々47ユニットのコンドと167ユニットの賃貸としてプランされていました。 しかし売買は苦戦し、3年後に15%(7ユニット)の売却ラインをクリアできず、デベロッパーの GID Development Group は全てのユニットを全て賃貸で回す事を決定し、契約済みのユニットも手付金を全て返金しました。
規模の小さなデベロッパーもクリエイティブな方法で売却を達成しています。 先月、イーストビレッジのブティックビルであるヒューストンハウス(Houseton House)で、デベロッパーのマシューリーは、3年間で7ユニットのうち2ユニットしか売れなかったコンドミニアムの低層ユニットをオークションにかけることで売却数を伸ばす事を決めました。
オークションにかけられたアパートへの入札は、オファーリングプランで340万ドルと評価されていましたが、175万ドルから始まり、10人の入札者を引きつけ、最終的に売却されました。 売却額は公表されていません。
「緊急性に欠ける市場でどのように緊急性を生み出すか?」また、 「どうやってエキサイトメントを生み出すか?」がキーになってきます。
Marketproof(不動産マーケット分析会社)によると、3月には、ニューヨーク市内で潜在的なファイナンシャルトラブルを抱えているコンドミニアムが78棟あり、それは合計1,872のコンドミニアムにのぼります。
その中でマンハッタンは22棟のコンドミニアムを占めており、そのうちのいくつかは完成後から10年間に渡り販売されております。 「当時建設された当時と今ではバイヤーのタイプが変わってきています。超富裕層を狙った当時のプロダクトは現在のマーケットには適切ではありません。」 Marketproof社代表のグッドマン氏は語りました。
Marketproofのリストにある他の物件には、2018年から販売されている178ユニットのExtellプロジェクトであるセントラルパークタワーがあり、この冬の時点で部分的にオープンしています。 オーナーのバーネット氏は、3月にコンドミニアムで取引活動が活発化したものの、全体的な状況は依然として厳しいと述べました。
実際、エクステル社の現在の6つのコンドミニアムプロジェクトのうち3つは利益を生まないだろうとバーネット代表は述べました。 「小さな損失で終わる物件もあれば、大きな損失を出ビルも有ります」と彼は言いました。
過去数か月にわたって、HFZキャピタルグループは、ローンのデフォルトにより、マンハッタンの4つのプロジェクトを債権者のCIMグループに引き渡しました。 かつてトレンディなエリアで次々と開発を行っていたHFZも、コンドミニアムとホテルの混合プロジェクトである THE XI のローンをめぐるトラブルで融資先と係争を行なっています。
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そして、最後に物件のご紹介。 以上のリストにも載っていますが、35 Hudson Yards #6302 – 2BR の物件。 このハドソンヤードの開発はロックフェラーセンター以来の大規模開発で三井不動産も多額の投資をしました。 レジデンスタワーの他にホテルタワー、オフィスタワー、ショッピングセンター、レストランなどもある大規模施設です。一流のアメニティー、全てが新しいこのプロジェクトは価値が有ります。以下のプライスは既にコロナ前に比べ、大きなディスカウント価格を反映しています。
価格:$4,950,000
広さ:2,022 ft² / 187平米 / 56坪
間取り:2BR
月固定資産税:$406
月共益費:$5,280
2019年完成
$2,448 / SF
$26,470 / 平米
$88,392 / ツボ